地植えミモザ。日本では短命になりがちと言われる所以と栽培上の注意点

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先週の金曜、国立駅の駅前の桜並木は丁度見頃を迎えていました。

2023/3/24

この後雨が降り出し桜も散るかと思いましたが、今日もまだ東京神奈川では桜の花を楽しめそうです。

2023/3/24

さて、今日はミモザのお話です。今年は3/17にまだ先端の方の蕾が残るミモザの枝を剪定をしました。先日山吹色で撮れたミモザ(ギンヨウアカシア)の開花画像を沢山載せたので、地植え栽培の注意点と共に実物に近いもっと明るい黄色の開花画像も沢山載せておこうと思います。
あと剪定の仕方で枝が駄目になる様子の画像は後日別途載せる予定なのでそちらも参考にして頂けたらと思います。載せたらこちらにもリンクを貼る予定です。

ミモザは根が浅く地上部はひょろひょろ伸びて倒れやすいからお庭に地植えにしてはいけない、と言われますが、ミモザをシンボルツリーとしてお庭に植えたいと思っている人はいくつかの注意点に気を付けてミモザのあるお庭を楽しむ事ができると思います。

シルバーリーフも楽しめるギンヨウアカシアで、ヨーロッパではミモザといえばフサアカシアの事を言うそうですが、日本ではこのギンヨウアカシアをミモザと呼ぶ事が多い気がします。お花屋さんでも切り花として「ミモザの日」に日本で売られているのはほとんどがこのギンヨウアカシアの枝である事が多いです。

ちなみにあくまで私の嗅覚では、この日本での通称ミモザ・ギンヨウアカシアの花は香りがせず、ヨーロッパでの通称ミモザ・フサアカシアの花は香りがします。ネットからの情報ではギンヨウアカシアの花に香りがするという記事もたまに目にしますがフサアカシアとごっちゃになってしまっているのかな?と感じます。アラフィフで五感も鈍ってきていますし間違っていたらすみませんがRhodesの鼻にはこの可愛らしいギンヨウアカシアの花から香りは感じません。

ギンヨウアカシアは地植えにして少し育ってくると枝にボリュームが出て来て沢山の花が楽しめますが、台風や強風・積雪などで幹が折れる事があるため注意が必要です。また苗木の最初のうちは頼りなげにひょろひょろ伸びるため支柱が必要です。
背高く伸びると更に折れやすくなるためあまり背丈を高くしないように気を付けます。背丈をある程度抑え、またボリュームが出すぎて重みを支えきれなくなった中~太枝が折れてしまわないような剪定をほどこします。中心の太い幹はほどほどの高さに抑え、そこから細かく枝を分岐させるように剪定します。そして毎年花後にしっかり花枝の剪定を欠かさずします。
また大きく育ってからも剪定管理だけで倒木を防ぐ自信がない場合は長持ちする樹脂製などの素材のしっかりした支柱を作るなどして木を支えてあげる必要があります。

支柱の代わりにがっちりしていてそうそう倒れたり壊れたりしない門柱のようなものが傍らにあればミモザの成木の支えになるかもしれませんが、枝数を増やしすぎたり背丈を出したりして負荷をかけすぎないよう注意が必要です。
ミモザは他の木と同様に開けた明るい方に枝がより伸びそちら側に木が傾きやすくなるので、鳥居支柱やまたは何かしらのかなりしっかりした屈強な塀のような支えがミモザの株の明るく開けた側にくるようにして倒れがちになる幹にストップをかけます。

ミモザは夏に蕾ができるため、東京近郊エリアの枝の剪定は基本的には毎年花後早めに枝を剪定します。ミモザは強剪定にあまり向いていませんが、切らないと枝がどんどん伸びてしまうのでRhodesは花後はやや強めに枝を切り詰めています。3月後半のこの本剪定のあとも、8月頃までに勢いの良い枝を更に半分以下に切り戻して全体を整えます(これを忘れて雪が降って枝がたわむ様子を見て焦る事もしばしばですが)。

ミモザは青みシルバーの美しい常緑の葉と、春先に長く楽しめるレモンカラーの愛らしい花を楽しめ、また蕾が出て色付き膨らんでゆく様子もかなり長く楽しめ、嬉しすぎる要素が盛りだくさんでどんだけ凄いんだと思いますが地植え栽培に当たっては以下の点に注意します。上の内容と一部重複しますが他にもいくつか注意すべき点をまとめてみました。

  1. 地植えミモザの一番の天敵は暴風・台風・積雪・長雨です。大きく育つと頭でっかちになり風や積雪などで枝や幹が折れる事があります。折れた場所から枝が痛んでゆき株全体が枯れてしまう原因になる事も多いです。
  2. 多湿に弱く、一度根付いたら水やりは必要ありません。水はけ・風通しの悪い場所には植えないようにします。
  3. -5℃程度(品種による)のある程度の寒さに耐えますが豪雪エリアなど寒冷地での屋外栽培は越冬が厳しいです。
  4. 害虫は養分を吸うカイガラムシや葉の食害を起こす蝶の幼虫が付きます。カイガラムシは完全駆除は難しいですが見つけ次第歯ブラシ等を使ってできる範囲で駆除します。蝶の幼虫による葉の食害で外観が損なわれるのが嫌な場合は薬剤で対処します。
  5. ある程度太さのある枝を剪定する際、枝が縦に割けたり樹皮がめくれないように気を付けます。ギンヨウアカシアの場合は特にこの裂け目から雨などが降ると確実に傷んでゆく可能性が高いです。
  6. 花後のやや強めの剪定では太い枝を切ったあと切り口をすぐ雨に当てないように気を付けます天気予報をチェックし、剪定の日とその翌日、できれば剪定後数日間は雨が降らないような日に剪定を行います。太い枝を切ったら切り口の切りくずを落としてからトップジンMペーストなどで切り口全体をしっかり保護します(場合によっては切り口からにじみ出る養分が少し収まる翌日に湿布した方が良いかもしれない)。
  7. 裂け目ができない太枝の切り方は説明すると長くなるので詳細は割愛しますが全く分からない方向けにざっくり書くと、まず枝の下側(切った枝が落ちる側)にノコギリを入れて枝の直径の1/3くらいまで切り込みを入れ、その後今後は枝の上側にノコギリを入れて切ります。続いて上側からノコギリを入れますが、この時下側に入れたノコギリの位置の5mm~1cmほど上の位置から先に入れた切り口に対して平行にノコギリを入れてゆくといいと思います(他にもいくつか切り方はありますが原理は同じ)。
  8. 台風や積雪などで枝や幹が折れた場合も縦に裂け目ができてしまった場合は「6」を参考に可能であれば裂け目がない場所まで切り戻し対処します。
  9. トップジンMペーストを切り口にしっかり塗っても切り口から10cm前後(時には更に長く)枯れ込む事が結構あります。太目の枝を剪定する時は実際にこの位置まで枝を切り詰めたい、と思う場所から10cm長い位置で剪定するようにするくらいで丁度良いと思います。
  10. 強剪定・太い枝の剪定に弱く、それなのに幹や太い枝が折れたり木が傾いたりしやすいという性質があるため、幼い苗が育ち高さが出て来る段階でほどほどの位置で銅切りをします(銅切りの季節は春の花後すぐの頃。本来銅切りのような強い剪定は向かないが若く元気な株のみ銅切りが有効)。そこから枝を分岐させ、更にもう少し細かく枝を分岐させるように数年かけて毎年花後早めに剪定してゆきます。枝を切る際、なるべく葉をいくらか残せる位置で枝を切り戻します。細かく分岐した枝から複数伸びる花枝もあまり長くなりすぎたり先端の方で分岐させて先っぽに重みが出すぎないように気を付けます。長く伸びた細い花枝(春先に花が咲く枝)を切り戻す時は中途半端に先端を少し切るとそこから枝が複数伸びて枝先が重くなり風雨や積雪で枝が垂れてしまうので、切り戻す時期により長くても半分、短くて1/4以下に切り詰めます(切る時期によってそこから新しい枝が伸び育つ長さが異なるため時期に応じて花枝の長さを決める)。
  11. 剪定だけで完全に倒木や太い枝の枝折れを必ず防げる保証はないので、しっかりした支柱を設置するなどして木が倒れたり割けたりしないよう支えてあげるようにします。

水はけと風通しの良い場所に植え、しっかりした支えがあり、背丈をあまり出さず花後の剪定を欠かさずできれば比較的問題なく育てられると思います。

ミモザは背を高くしすぎたり、枝のボリュームがですぎると、風にあおられたり積雪の重みで幹が折れてしまいますが、その事に気付かないまま育てて太い枝が折れてしまったり、管理に慣れておらず背丈を抑える剪定が上手くできないでいるうちにダメージを受けて駄目にしてしまう事が原因ではないかと感じています。太い枝が折れたり割けたりすると強いダメージを受けますが、その事に十分対処できないまま気づくと取り返しがつかない状態に陥ってしまい駄目にしてしまう事が日本では地植えのミモザは短命と言われる所以かなと個人的に思っています。大きく育つと充分気を付けて管理しないと幹や太い枝が折れやすくなるという事だけでなく、過湿にも弱いためあまり日本の気候が合わず様々な要因が重なって寿命を迎えるのでしょうね。

Rhodesが管理しているこのお宅のミモザも積雪等による枝折れに備えてなるべく枝を長くしすぎないように心がけたいのですが、長く伸ばしたまま開花させてしまう枝も多く、そうなるとどうしても台風に遭遇したり雪が降ると枝ぶりが乱れてしまいます。万一雪や強風で幹が折れるような事があればその時はこのミモザを諦める時かなと思っています。その時ミモザをまた楽しみたいと思えば新たなミモザを植え直す事になります。一応中心の太い幹は女性の背丈ほどに留めてあります。

このおうちの場合は支柱を立てましたが、木製の杭の寿命は短いので樹脂製のもので立て直したい。でも既に若干傾いた木の支柱を取り換えるのは結構難しいので、今の木製の支柱が今年壊れてそのうち太い枝や幹が折れてしまったらこのミモザも寿命を迎えてしまうのではないかと思っています。

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