今は自分の庭を持っていない私ですが、いくつかの庭を管理させてもらっているので、他人の敷地なので植栽に制限はありますが庭いじりを楽しむ事ができています。
今日は管理しているお宅のお庭の中の常緑植物の最近の様子についてです。関東以西の暖地で冬も緑を楽しめ、あまり手間のかからない植物をお探しの方の参考になれたら嬉しいです。
ユーフォルビア(多肉ではない方のユーフォルビア)
ユーフォルビアは秋冬に綺麗に紅葉しカラーリーフとして使えるカラフルな色や青葉のものなどの葉姿が楽しめ、春先には花を沢山咲かせ、花後の春には地際から5センチくらいの場所でカットすると沢山新芽が芽吹いてきて、カット枝は切り花としても長持ちするなかなか使える万能の植物です。
(枝葉を切った時に出てくる白い液体さわるとかぶれる人もいるので、触ったり口にしたり目に入れたりしないように注意します)
ユーフォルビアは乾燥には強いですが、暖地の夏の高温多湿に弱く、午前中に陽が当たる場所に植えられて雨を避けられる場所であれば半常緑~常緑のカラーリーフとして長く楽しめます。
画像は西日しか当たらない場所に植えてあるユーフォルビア「ウルフェニー」と「アスコット レインボー」。現在開花中です。
ユーフォルビアは乾燥にはかなり強いのですが、夏の暑さ(と蒸れ)に弱いので、この場所で生き残るのは大変で、斑入りタイプの品種のいくつかなどは夏に枯れてしまいましたが、この2種は今年も生き延びました。
「アスコット レインボー」↑も順調に大きく育っていますが、今年はなぜか下葉が落ちてしまいあまり綺麗な姿ではないので去年の春の画像をアップしています。
また、画像は残念ながら撮り忘れてしまいましたが、同じくユーフォルビアの「フロステッドフレーム」や「シベリアンタイガー」も気に入って何度かこの場所に植えたのですが、繊細な斑入りの葉なせいか何度植えても西日しか当たらない場所では梅雨から夏にかけてどうしても弱って枯れてしまい生き残る事ができませんでした。
他にもこの場所にはユーフォルビアの「ブラックバード」も植えていたのですが、これも1年で枯れてしまいました。
この「フロステッドフレーム」「シベリアンタイガー」「ブラックバード」もいずれも葉も花もとても綺麗なので、しっかり画像に収めておけばよかったと後悔しています…(T_T)
この西日しか当たらず水やりも月に1~3回程度しかできない過酷な場所には本当はシルバーリーフが綺麗な品種のユッカやアガベ、ソテツなどを植えたいのですが、通り沿いの為盗難の不安がありユッカとアガベは却下。ソテツは巨大になる事を考えると他の植物がこの場所で楽しめなくなるので保留中です。
ここには6月には地上部が枯れてしまうアリウムやチューリップやエレムルス(キャンドルリリー)などの秋植え球根や、その他にも初夏から夏に見ごろを迎えるグラス類や乾燥に強い宿根草も植えてあるので、また開花したらブログをアップしたいと思っています。
ベロニカ(トラノオ)「オックスフォードブルー」
ベロニカ「オックスフォードブルー」も常緑で春には青い花が沢山咲き、大株になると一面が青い絨毯のように見えるほど多花性のグランドカバーにも向く植物です。
今年は早咲きで3月頭から咲き始めました。
これは先週の画像なので今頃はもっと咲いていると思います。
植えっぱなしで水も月に数回しかあげておらず、剪定もあまりしなくてモフモフ伸びたまま野放し状態でした。真ん中が少し剥げて花が咲いていませんが、これから咲くと思います。。
ツル植物ではありませんが半匍匐性で中心から広がるように増えてゆきます。モフっとしたパーマのショートヘアのような茎なので、からまりを解いて1本1本丁寧にカットしようか、絡まりは解かずに何となくばっさり切ってしまおうか(これをやると剪定枝の取り残しが出てきくる)、いつも切る時に悩みます。
追記:その後花数が増え見ごろを迎えました↓
馬酔木(アセビ)
続いて敷地一面に100本以上植えてある馬酔木(アセビ)。こちらは宿根草ではありませんが剪定により背丈を抑えつつ冬の間常緑の葉も楽しめます。そうした低木は他にも沢山ありますが害虫も付きにくく扱いやすいのでこちらに載せてみました。花は桜(ソメイヨシノ)が開花し始める頃にはスズランの花のようなつぼ型の沢山の小花が満開を迎えます。
この敷地ではこんな風↓に一面に馬酔木の花が咲いていて、敷地内には他にも沢山のアセビがもともと植えてあります。
特にグランドカバー向きの植物という訳ではありませんが、広い敷地では沢山植栽し各々背丈を抑えてグランドカバー風に使う事もできます。
馬酔木は常緑の低木で1年中葉が楽しめ、根が張って定着してしまえばある程度の西日や夏の日差し、乾燥にも耐え、日向でも日陰でも両方育ち、害虫の被害も比較的少ない強い木で、放任だと3メートルくらいに育ちますが剪定で大きさを調整できます。その上成長はゆっくりでこまめな剪定も必要なく管理が楽な庭木です。
馬酔木の画像↑に一部写っている地植え3年目の黒法師も今年は特に余裕で冬越え。昨年の台風の時に何本か倒れたので仕方なく支柱をしています。3株植えてあった黒法師は1株が途中で分岐して4株に自然に増えたため、分散させました。
黄花アリッサム 「 サミット 」
先日アップした黄花アリッサム 「 サミット」はこのお宅に植えましたが、相変わらず咲いていて、思ったよりこんもり大きく茂って成長しそうです。
過去記事↓に2月頭の植え付け前の株の画像がありますが、1か月以上咲き続けています。暖地の夏の暑さにはやや弱く、春の花後にばっさり剪定して梅雨から残暑までは特に風通しと水はけ良く管理します。
(追記:4/11現在、花数は減りましたがまだ咲いています。花後少し切り戻すようにすると新しい花が出てきて長い間咲き続けます。)
ホワイトセージ
下の画像は日陰に植えてあるホワイトセージ。
植える場所に困って日陰(但し落葉樹の足元)のアセビの植え込みの中というおかしな場所に植えてしまいましたが、水やりをほとんどせず放任で元気に育っています。
放っておくと巨大になり枝が重さで下がってきてしまうので、大きく育った株は春の花後、初夏頃までにぐっと短めに剪定します。初夏を過ぎても剪定できますが、真夏以降に剪定すると次の春に花が咲かなくなる可能性が高くなります。
遅くとも梅雨入り前までに刈り込み、葉をなるべく痛めないよう風通しのよい涼しい場所で乾燥させますが、もし湿度低めのカラっとした天候に恵まれるようであれば天日干しで1日以上乾燥させてから涼しい日陰で陰干しするとより綺麗な葉色のドライリーフができます。
特に欧米ではそのドライリーフを室内で1枚炊いて空間の浄化に使われる事があります(若干個性があって好き嫌いが分かれる香りです)。ホワイトセージの葉の香りは強く好き嫌いが分かれると思いますが、魔除けの意味合いもあって、スピリチュアルな世界ではこのように炊いて室内の浄化をするそうです。
ホワイトセージは暖地では屋外で常緑のまま越冬し、乾燥にも強いハーブです。
ここでは背丈を抑えたアセビの木に埋もれていますが、本来は青みがかった綺麗なシルバーリーフなのでカラーリーフとして楽しめる植物です。
結構大きく育ち、地植えでは1年で大人の背丈ほど大きくなるので、毎年春か秋に剪定を行います。
ここでは日陰に植えてありますが、耐暑性も強く日向にも向くそうです。
ただし日本の夏の高温多湿には弱いので、半日陰くらいの場所の方が育てやすいかもしれません。
斑入りヤブラン( リリオぺ )ピンクパール ’pink pearl ’、他ジャノヒゲ系
リュウノヒゲ(ジャノヒゲ)やノシラン、ヤブランで冬の間も関東以西の暖地では綺麗な葉を保つ品種は多いですが、このお宅に植栽している斑入りヤブラン「ピンクパール」も綺麗な葉姿を保っています。
画像は3/16のもので、外側の古い傷んだ葉は刈り取りましたが、まだ新芽は出てきても伸びていないので冬の間もこの比較的綺麗な葉のままでした。
今年は暖冬で特に葉が痛んでいないので、春もこのまま刈り取らずにおこうと思っています。ここは日陰で雨のあたる場所で他のヤブランに比べると冬の間も葉が綺麗ですが、ヤブランはジャノヒゲ系より葉がやや薄いものが多く特にこのピンクパールは斑入り葉なので暑い時期に西日が当たる場所では葉焼けしやすいです。
他にもジャノヒゲ類の葉は冬の間も暖地では青々として綺麗な姿を保っています。
ベニシダ
ベニシダは春に出てくる新しい葉は赤いのですが、暖地では秋冬は緑色です。とはいえ寒さや風で葉が痛むのでなるべく北風の当たらない場所が望ましいですし、地味な風貌とやや場所を取るため使うお庭やガーデナーさんによっては好まれない事も割とあります。
常緑で関東では屋外越冬可能、地植えで大株に育つと背丈は60cmを超え株張りも年々大きくなり、日本の暖地で地植えで育つシダの中ではダイナミックなサイズに茂り、冬の葉姿も比較的綺麗です。
根が張ると想像以上に乾燥にも強く、水やりのできないこのお庭で重宝しています。
コゴミやオシダのようにランナーで離れたところに子株が出てくる事もなく、徐々に株自体が大きく育ってゆくので、管理もとても楽で古くり傷んで変色してきた葉を取り除く程度です。
冬のこの緑の葉の間から、もう少しするとこんな風に赤い芽が出てきて↓
5月に入ると赤い葉になり、徐々に緑色に変化してゆきます。
小型セダムや黒法師、センペルビウムなどの耐寒性多肉植物
こちらで庭を管理しているお宅の西日しか当たらず雨ざらしの場所にある2つの薄い大きな丸鉢に、常緑で屋外で楽しめる多肉を植えて楽しんで貰っています。
鉢の1つには何種類かのセダムやセンペルビウム(センペルビブム)などを植えているのですが、パリダムの芽吹き時の色は鮮やかなエメラルドグリーンでとっても綺麗。
以前は何もなく雑草だらけの鉢で固くなった土をほとんど整えずに植えてしまいましたが、毎年綺麗な葉を茂らせています。
植えてあるのはどれもグランドカバー向きの多肉で、旺盛に増え茂るタイプのものです。
下の画像でところどころに顔を出している小さな赤い粒々がかわいいコーラルカーペットは大分淘汰されましたがちゃんと残っていて、まだしっかり赤いです。
写りこんでいるルビーネックレスは伸びすぎ増えすぎで毎年バケツ2杯分はカットして可哀そうだけれども捨てています。
それ以外の背の高いツンツンした葉はレフレクサムです。
セダムの芽吹きが綺麗に撮れるのはもう少し先なので、改めて後日写メを撮りたいと思っています。
他の小型のセダムも合わせてこの薄鉢には多種植えていたのですが、今は6種類に落ち着いています。
また機会があれば詳細をアップしたいと思います。
もう一つの鉢にはセンペルビウムも数種植えてありますが、まだ全体的に紅葉していて赤いですが、早くも一番花が咲いていました。
全体的にはこんな感じで冬の紅葉が赤く残っています。 画像左の‘グリーン ヴァウト’のところが随分剥げ剥げで隙間が空いてしまいましたが、5月に入ったらもう少し成長して綺麗にそろってくると思います。
もう少し暖かさが増して1個1個の株が大きくなってくる頃に、既に窮屈になっている部分の整理をしないとならないのが怖い…。
この鉢の去年の記事はこちら↓
多肉といえば黒法師も関東以西の比較的温暖な暖地では屋外で越冬可能です。
株元だけ影にしてあげれば関東では西日しか当たらない過酷な場所でも育ち、去年は台風で倒れてしまったため支柱を立てているため見栄えがしませんが、結構増えてきたため、今では敷地のあちこちでちょっとしたフォーカルポイントのように植えてあります。
品種が分からず、屋外での冬越しができるか不明だったエケベリア↓も、暖冬のせいか地植えで難なく冬を越しました。
ダイソーにてヨレヨレになっていた状態で買った多肉で、カップ咲きような姿と青みがかったシルバーの葉が気に入っています。
まだ手のひらに収まるサイズですが、手のひらを超える大きさになるので楽しみ。
葉は間延びせず綺麗に蜜に茂りますが、成長すると枝が伸びて全体的に大型になります。
立性のローズマリー
画像は後ほどアップしますが、立性のローズマリーも日差しにも日陰にも強く、根が張れば多少の乾燥にも耐え、干ばつのような夏日が続く時でも月に数回の水やりで生き延びます。
剪定も長さが気になってくる頃に数年に一度、長く伸びた枝を地面に近い場所に新しい枝が出ている先でカットして枝の更新をする程度です。
カットした枝はそのまま切り花として飾っても長持ちしますし、農薬も使わないので料理にも使えます。
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