
下段:【ノシラン、蛇の髭(ジャノヒゲ・リュウノヒゲ)】蕾は少し先が尖っていて花は花茎は斜めに枝垂れラッパ咲きの小花が花茎に沢山垂れさがるように咲く。実は雫型や楕円形や球体に近いものもあり、緑からコバルトブルーに変化(黒になる品種もあり)
上の画像のキャプションに個人的に感じたヤブランとノシランや蛇の髭の違いを書きましたが、サイズ感や葉の色や艶に差こそあれ、どれも長く伸びた細葉がシュッとあがって垂れ下がり茂る姿が似ているノシランやヤブランやジャノヒゲのいくつかに7月末に蕾が上がってきました。
それより前にもノシランやジャノヒゲで5~6月に既に開花したものもあるので順番に以下に紹介します。
ヤブランやジャノヒゲやノシランは、ある程度の乾燥にも耐え、雨などの加湿にも比較的強く、日向・日陰で育つ強健な性質で、いずれもグランドカバーや、雑木の根元を隠すためなどに使われる宿根草で、寄せ植えや切り花(切り葉)にも使われる事があります。
日陰でも日向でも育ちますが、花は陽当たりのある方がよく咲きますが、葉は半日陰の方が痛まず綺麗に育ちます。また斑入りのものは夏の日差しで葉焼けしやすいです。
暖地では常緑で冬の間も葉姿も楽しめ、実も楽しめる品種も多くあります。
基本的には半日陰から明るい日陰を好み強い日差しより柔らかな日差しの方が綺麗な葉姿をキープできますが、日向に強い品種も中にはあります。
私の場合、品種によっては寄せ植えに使ったり、クレマチスの株元の日よけにしたり、樹木の足元に植えたり、シェードガーデンの仲間に加えたりしています。
(この記事は2019年8月1日に一度花の開花などの記事としてアップしたものです。その後も実のレポートなどを追記編集しています)
画像は全て東京・神奈川・千葉など関東南部の平野部のものです。
蕾の出てくる時期や開花時期に関する記載も東京及びその近郊でのおおよその目安です。
初夏咲き( 5月末には蕾がでていたもの )
オオバジャノヒゲ:黒竜( コクリュウ )
黒っぽい葉のコクリュウは明るい色や淡い色との対比が綺麗で実も実りやすいので、寄せ植えや地植えであちこちに使っています。
花の色もくすんだような淡い紫がシックで、葉も花も実もとても好きな宿根草です。
地下茎で殖えるので親より少しだけ離れたところから顔を出します。気になる時は春に出た新芽を親株の近くに植え直します。
花
当記事で紹介するノシラン、ヤブラン、リュウノヒゲの中ではこの黒竜が開花が一番早く6月には花が咲きます。
蕾は灰色みのアンニュイな紫で、花は少し濁った淡いピンク~パープル。目立ちませんが、この怠い花色とブラックリーフの組み合わせがさりげなく大人っぽい雰囲気で個人的に気に入っています。
基本はこのように初夏に花が沢山咲きますが、10-11月にも少しだけ花を咲かせる四季咲き性の性質を持っています。


実
コクリュウは6月頃には花が落ちて実が成ります。関東では6月の実は緑色で、 7~10月にかけて徐々に黒くなり11月に入る頃には実全体が黒く染まります。
コクリュウの実の持ちはとってもよく、ぎっしり詰まった実が長い間綺麗な姿を保ち続けます。
うまく育てると夏から翌年の初夏頃までと長~い間、丸くぎっしり実った実姿を楽しめますが、いくつか違う場所でコクリュウを育てている観察の結果からみると、実を長く楽しむには、夏の直射日光がきつすぎない場所で育てる事と、土の表面を長い間カラカラに乾かしすぎない(強乾燥を避ける)事が大事だと思います。
もともと根が張れば乾燥にも耐えますし日向でも日陰でも育つ品種ではありますが、実を楽しむ事を優先したい場合は以下の3点に注意します。
【実を実らせ、かつ実った実を長い間楽しむために必要な事】
【1】水やりは土の表面が乾ききる前に、もしくは土の表面が乾いてしまったらあまり間をあけずに水をあげる。
【2】西日を避けられる半日陰、南であれば夏の間直射日光を避けられるヒサシやポーチの下、もしくは明るい日陰で育てる。(日陰も日向でも育つが花・実付きの事を考えると最低限の明るさが必要で強すぎる直射日光による不測の強乾燥にも備える必要がある)
【3】肥料を適量与える(鉢栽培の場合は特に)。特に秋と早春頃にしっかり与えると良い。
コクリュウの実は他のジャノヒゲ系やノシラン、ヤブランの実に比べて落ちにくく、切り取らなければ翌年の春までずっと付いたままなので、我が家では鉢に垂らして冬の寄せ植えに使ったり、チューリップ等春の花と実の共演もばっちりな素敵な名脇役です。
本当は翌年の開花数を増やすためには実はそこそこに残して半分はカットした方がいいのですが、私は実を全部残して冬の間中楽しみ、翌年の実がなっても昨年の実も落ちるまでそのままにしています。そうすると実をつけっぱなしにした周辺は翌年花があまり咲きませんが、定期的に追肥を行うと他の場所から花がしっかり出てきます。
ちなみに我が家では日向に植え夏に強い直射日光がビシバシ当たる場所に植えたものは実のついた茎が秋までに枯れてしまい実も落ちてしまいます。軒下の初夏から夏に日陰になる場所で土も革ぎすぎない場所に植えてあるコクリュウは実が綺麗に残り1年近く実を楽しめます。


上:今年できた実
下:まだ残している去年の実


実が残るように管理をすると、秋の花苗や、春のチューリップなどと、コクリュウの黒い実の房を合わせた寄せ植えも楽しめます。


夏咲き( 6月に蕾が出始めたもの )
斑入りヤブラン リリオぺ ピンクパール ’pink pearl ’
管理人が栽培しているジャノヒゲ属とヤブラン属の中では、一年の一番最初に開花するコクリュウに続いて花を咲かせるのは斑入りのヤブラン「ピンクパール」。
6月に蕾付きの花穂が伸びてきて7月頭から咲き始めます。
この時期に開花するのは他にもすぐ下で紹介するタマリュウやジャノヒゲの基本種がありますが、花が葉に隠れるように低い位置で咲くため目立たず気づきにくいです。

斑入りヤブランでは黄斑入りのものが多いですが、もう少し白い斑入りのものを求めて園芸店で このLiriope ’pink pearl ’ を購入してから3年が経っています。
葉の大きさは同じ斑入りのヤブランでも黄斑ヤブラン’ Variegata ’と比べると長さも短く一回り小ぶりですが、 大株に育てるとそれなりに見応えがあります( どのヤブランもそうですが )。
葉色はやや青みがかったブルーグリーンのベースにアイボリーホワイトの斑が入り、春から夏にかけての葉色はとても爽やかで清々しく清涼感のある葉姿です。 特に春の芽吹き後から夏までの半日陰や明るい日陰の株の痛みの少ない葉色といったら涼しげでしばし魅入ってしまうほど。同じ斑入りのヤブランでも全体的に黄味っぽく温かみを感じる葉の ’ Variegata ’ と比べると、青みがかった葉に白の斑が入った ’ pink pearl ’ の葉は清らかで涼しげです。
花は若干ラベンダーがかったような淡いピンクで、開花時期は黒竜に続いて初夏から蕾が出て夏に入ってすぐに咲き始める早咲きタイプ。黄斑ヤブランが見頃を迎える晩夏には散っています。
個人的には 葉は ’ pink pearl ’ の方が好きで、花は鮮やかな青花を咲かせる’ Variegata ’の方が好きです。
そんな ’ pink pearl ’ ですが、私が育てている株では実を見たことがありません。結実しにくいタイプである可能性もゼロではないですが、小道沿いに植えてあるので足で蹴って落としてしまっている事も考えら、何よりも少ない時は月に一度しか水やりができず渇きがちな場所に植えてあるせいで実が生らない可能性が高いと思っています。
水をもう少し定期的にあげて実が生る姿を一度は見てみたいのですが、どうしても水やりをする人がいない敷地に植えてあるので実を見る事は難しいかもしれません。株分けして自宅に持っていき観察したいですが、置く場所がないのでなかなか難しい。
’ pink pearl ’は同じ斑入りの葉のノシラン「ビッタータス」のような葉のねじれがないところも特徴で、地面にだらしなく(!?)垂れたりねじれたりせず、スっと放射状に葉を伸ばし、とても整った綺麗な茂り方をします。
冬はこの美しい葉は多少くたびれてくるものの、東京・神奈川・千葉では冬の間も常緑です。
3~4月頃、新しい葉芽が地面から顔を出し始めた時に忘れずに冬の間に傷んだ前年の葉を全て地際からカットして葉の更新をします。
葉姿、葉の形、斑入りの感じいずれも綺麗で整っていますが、地下茎で殖え、親株から少し離れたところに顔を出すので春に子株が出てきたら親株のそばに植え直し、親株を大きくするイメージで栽培しています。
こうしたささいな下草でも庭のない我が家には植えて管理するスペースが限られ、この子を植える余裕はないので、こちらは仕事先の日陰の庭に植えて管理しています。
ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)
また、早咲きの「黒龍」以外の同じキジカクシ科 ジャノヒゲ属の品種も6~7月に花が咲くものが多いです。
ただ葉に隠れるように低い位置で咲くものが多くて6~7月に花が咲いていても気づきにく、良く見ると咲いている感じです。
玉竜 タマリュウ

玉竜も6月には蕾が出て薄紫色の花が咲きます。
タマリュウの花は、タマリュウ自体が背が低いため花が咲いても見つけにくく、実も踏まれて落ちてしまう事が多そうですが、こちらもノシランと同じく鮮やかなコバルトブルーの小さな実を付けます。
タマリュウは10~11月にも花が咲く事があります。
リュウノヒゲ( ジャノヒゲ )基本種
(以下は我が家にリュウノヒゲとして伝わるものを元にし、一般的なリュウノヒゲとは異なる可能性があります。一般的なものはもう少し葉が幅広かもしれません。)
リュウノヒゲの基本種も6月にタマリュウより長い葉をかき分けると蕾を見つけられます。タマリュウと同じ薄紫の花を咲かせます。

いつの間にか綺麗な青い実が実っていたリュウノヒゲです。
これはタマリュウより葉が長いタイプの オーソドックスなリュウノヒゲで、葉の長さはタマリュウの2-3倍の長さ、葉の太さはタマリュウとほぼ同じです。
ジャノヒゲ属の中でも性質がとても強く、日陰にも日向にも耐え、太陽にも冬の寒さにも葉が痛みにくく、一度植えるとみっちり密集しながら徐々に増えてゆきます。
乾燥にも比較的耐えますが、水が多いほうが葉や実が綺麗に育ちます。


これらは我が家に古くからリュウノヒゲ/ジャノヒゲとして伝わる株で、タマリュウとほぼ同じ葉の幅で葉の長さはタマリュウより長いです。全体としてはヤブランなどより葉が細長い印象ですが、昨今販売されているジャノヒゲの基本種はもう少し葉が幅広のものが多い気がします。
リュウノヒゲ( ジャノヒゲ ) 「 白竜 」
「 白竜 」もいつかアップしたいと思っています。
白竜の垂れにくい葉姿が好きでできれば大株にして鉢仕立てにしたいのですが、管理する場所がなくてなかなか購入できません。
晩夏咲き( 7/30現在花芽が上がってきているもの )
我が家にあるヤブラン(リリオぺ)「モンローホワイト 」、ノシラン「ビッタータス」 (リュウノヒゲ「 スノードラゴン 」?)、オーソドックスな大型のノシランの3種と、紫の花が咲く緑葉のオーソドックスなノシランはほぼ同じ7月の終わりに蕾が出てきて8月~9月半ばまで開花を楽しめます。
まさに夏~晩夏の花。半日陰や明るい日陰では猛暑に負けずに綺麗な葉をキープしながら暑さに負けずになつかしいような風情のある花姿で目を楽しませてくれます。
ヤブラン(リリオぺ)「モンローホワイト 」
ヤブランの「モンローホワイト 」 にも花が上がってきました。
7/30時点で既に花茎が高く伸び開花直前なので、6月終わり頃から蕾が顔を出していたのかもしれません。
ヤブランやノシランのほとんどが花茎が上がり花が全て落ちるまでは1か月強。割と長い間花が楽しめ、モンローホワイトも同じです。この後8/31頃には花がほぼ落ちて黒っぽい実(緑色→黒色に変化)がわずかに数個成りました。
晩夏咲きのところに分類していますが、8月に入ると同時に見頃を迎えるので夏咲きタイプとも言えそうです。

モンローホワイトはあちこちに植えていて、いずれも花穂をあげてきています。
画像のリグラリア「 ブリットマリークロウフォード 」と共に、蕾が出てから8月一杯までの約1か月の間花が楽しめます。
我が家に植えてあるものは狭い鉢なので花数が少ないですが、お庭のあるお宅に伸び伸びと植えてあげると年々花数を増やしてゆきます。大株になると数十本もの花茎が上がってきます。
モンローホワイトの整った白い蕾はとても愛らしく、ヤブランがサマームスカリと言われるのも納得です。
モンローホワイトの特徴は、 他のヤブランやジャノヒゲの多くが地下茎を伸ばして春に新芽を親株から少し離れたところに出してくるのとは違って、親株自体が年々大きくなるような形で増えてゆき全体的に丸くまとまった整った姿になるところです。
年々こんもり茂ってくる葉に沢山の白い花が咲き、大株に育つととても綺麗。
水を十分に与えられず土が乾いている状態が多くても、根さえ張っていれば水不足でも葉は生きていますが、花茎は水が足りないとそのうち枯れてしまい実も実りません。この花が複数咲いているモンローホワイトの株はケヤキの木の下に植えてあり弱い雨では当たらず水やりも月に数回程度と夏場は特に水不足なので、実が実る前に花茎は枯れてしまいます。


一方、我が家のまだ小さなモンローホワイトは、狭い敷地で水やりの度に身体が実に当たってしまう場所に植えてあり、水は足りているので花茎は枯れずに残るけれどもこうした接触のせいでほとんどの実が落ちてしまいます。
実が残っても、ノシランやコクリュウのように冬の間中楽しむ事もなく花茎ごと枯れてしまいました。


ヤブラン(ノシランもジャノヒゲも)は、冬の間も基本暖地では常緑ですが、冬には葉が痛んできます。モンローホワイトは春の新芽が顔を出した頃に古い葉を全て根本近くからカットします。
冬の葉の状態の画像を撮ったものがこちら↓


3月に入り新芽が見えてきたので古葉をカットした状態がこちら↓

同じ緑葉のヤブランでも綺麗な紫の花を咲かせる品種もあるので、白花のモンローホワイトも素敵ですが、鮮やかな紫の青花品種も素敵でどちらを選ぶか悩んでしまうほど。
ムスカリにも似た小さな花をギュっと濃縮させたような整った花のタワーが魅力のヤブランですが、葉も目立った特徴はないものの、 スラっと伸びた細葉はリグラリアやギボウシなど丸みを帯びた葉やシダなどのギザギザした葉と合わせると日陰の下草の植栽に良い感じに変化をもたらしてくれる名脇役です。
他のヤブランやジャノヒゲのように想像していなかった場所からぴょこんと飛び出る春の新芽を気にする必要がないところがありがたいモンローホワイト。
ただし葉が美味しいらしく、他のノシランやヤブランに比べると虫に葉を食べられ穴が空きやすいので、気になる場合は定期的に薬剤を撒くと綺麗なグリーンの葉姿をキープできます。

ヤブランの花はムスカリとは違ってツボ型でもなく、蕾ももっと丸く、下向きにも咲きませんが、まっすぐ伸びた茎に小花が沢山付く様子はよく似ていますね。
ノシラン

当記事をアップする直前にノシランに花芽が出てきました。
単に「ノシラン」として販売されているこのオーソドックスなノシランは他のノシランやヤブランに比べて草丈も葉幅も大きくボリュームが出ます。
地植えで木の下草にすると他の草花や樹木との調和が楽しめますが、残念ながら我が家では地植えにできないので6号鉢に植えて管理しています。
本来半日陰や明るい日陰を好むのに、炎天下で育てていて申し訳ないと思っている子。
葉は硬質で丈夫ですが、近年の夏の強い日差しによる葉焼けの影響を考えると、半日陰で綺麗な葉姿をキープした方が良い子です。
6号鉢サイズの株でも定期的な追肥により毎年5本以上の花穂が上がります。
ノシランや玉竜などのリュウノヒゲは、足などをぶつけて実を落としてしまう事も多いですが、緑色の実が冬にかけて鮮やかなコバルトブルーに変化してゆくところも楽しみで、本当は仕事先で地植えにして育てたかったのですが、観察のため鉢植えにして我が家でしばらく様子を見ています。
ノシランのように大きくスっとストレートの葉のラインが伸びる葉物は、本来は鉢植えよりも落葉樹などの足元に下草として植えると素敵なのですが。


続いてノシランの実の変化。





ノシランの実は重くて茎で十分に支えきれず、沢山実った茎は垂れさがってきます。
我が家のノシランは駐車スペースの車の後輪が当たる場所に置いてあるので、実がタイヤに当たってかなり落ちてしまっていますが、2019年は6号の鉢から10本ほどの花茎が上がってきて、そのうち7本に実がついていますが、うまく育てればもっと沢山の実が成ると思います。

この実の画像の写メを撮った後、2月半ばに1週間近く不在にしていた時、家族に水やりを頼んだのですが、うまく伝わっていなかったようで、帰ってきたら水不足で実の茎が乾燥で白化し、大部分の実も半分以上落ちてしまいました。
家族に聞いたところ「うーん、ちらっと少しだけやった!」と目を合わさず返事をされ、水をあげてないのに一応あげたふりみたいな返答をされました。。
このページで「 強乾燥にすると実が落ちる 」、と追記したばかりで、まさか自分のヤブランが強乾燥で実が落ちてしまうとは( ノД`)
2月11日からしばらく不在にしている間、暖冬で5月並みの気候だったそうで、乾燥にはある程度強い品種ではありますが、日中は20度前後の温かい気候でギチギチの鉢栽培で、6日も水なしでは株は枯れずとも実は落ちてどこかに行ってしまいました。
ノシラン「ビッタータス( スノードラゴン )」
「ビッタータス」にも小さな花芽がポツポツと上がってきました。
違いが全く分からず混同されているか、同種なのではないかと思っています。


ビッタータスは地下茎で親株から離れたところに芽がでてくるような殖え方はせず、親株を中心に徐々に回りに子株が増えて株全体が大きくなっていく感じです。
似た斑入りの葉では白斑ヤブラン「シルバードラゴン」もポット苗があるので後日アップしたいと思います。ちなみにシルバードラゴンは親株から少し離れたところに子株の新芽が顔を出すタイプです。
お世話になっているおぎはら植物園さんの商品ページによると、ノシラン「ビッタータス」 は「 ミスカンサス 」という別名で切り葉として使われる事もあり、葉ものが欲しい時に切ってきて花瓶の花に加えたりもするそうです。なるほど。くるくるカールした長い葉が沢山出てくるので私も切り花アレンジに使いたいと思います。

ビッタータスは長い花穂を伸ばしてきますが、葉から上に大きく出る事がなくどちらかというと葉の間で咲きます。
他のノシランやヤブランが茎を伸ばしてその上に花穂が更に伸びて花が少し高い位置で咲くのと比べると、ビッタータスは茎部分が少し短く花穂の位置も低くなるため自らの葉にまぎれながら咲く感じです。
タマリュウやジャノヒゲも似たような咲き方をします。葉の中で花が咲きがちでヤブランに比べると花に気付きにくいです。
秋咲き
ヤブラン「シルバードラゴン 」
現在手元にポット苗のままやや放置気味で栽培しています。後日アップ予定。
斑入ヤブラン ‘ Variegata ’
(スマホのカメラレンズの裏に気泡のようなものが全体的に入り込んでいて画質が悪くなっています。解決まで低画質のまま失礼します)
8月半ば頃から蕾が出てきて9月頭には綺麗な花穂が伸び、丁度彼岸花が見頃を迎える9月半ばすぎから10月頭頃に綺麗な紫色の花が満開を迎える黄斑ヤブラン。
ノシラン(一番上)の次くらいに大きく、日向に植えてあって葉が痛んでいるものも街中で見かけますが、人が踏み込まない半日陰で管理すると比較的綺麗な葉姿のまま満開を迎えます。
我が家には植える場所がないので植える事はできませんが、お庭があったら人が通らず踏み入らない場所に植えたいと思ってしまう程、大株になると立派な開花姿です。

こんなに綺麗に咲いているのにレンズの間が靄がかりぼやけた画像になってしまって残念。
しばらくレンズの不調に気づかないまま写メ撮影を半月以上続けていました。
おかげで晩夏から秋の植物の画像が台無しです。

キチジョウソウ

キチジョウソウも一見ヤブランに間違えそうな草姿をしていますが、ヤブランでもノシランでもリュウノヒゲでもありません。キジカクシ目/キジカクシ科/スズラン亜科/キチジョウソウ属でどちらかというとヤブランに近いです。花の画像しかないので全体の草姿の画像はまた後日アップします。
開花は秋、10~11月頃。赤い茎にほんのり赤紫がかった白い可愛らしい花を咲かせます。

基本的な管理方法
葉の管理
品種にもよりますが、多くのヤブランは春に新しい葉が一斉に出てくるため、春に新しい葉芽の頭が出て来たら新葉が伸びる前に前年までの葉を根本近くから切ります。
これは新しい葉がのび切ってしまうと古い葉と混ざってしまい古葉を切りにくくなってしまうため。新しい葉が生えそろってきてから古い葉を切ると、新しい葉をかき分けての作業になり手間がかかります。新しい葉が出てきて直立してまとまっている間に(垂れ下がり昨年の葉と混ざらないうちに)古い葉を地際近くからカットします。
これを忘れると上に挙げた一部の画像のように、初夏以降前年の古い葉が枯れたものが茶色く残って見苦しくなります。ただし早く切りすぎると一時期葉がなく寂しい時期が出てくるので、切るタイミングが分からない場合は最初の年は切らずにそのまま様子を見、初夏頃見苦しくなる古葉がでてきたらカットします。
一方、古葉が長持ちし、春に新葉が一気に大量に出てこず春から秋にかけて時間をかけながら少しずつ新しい葉が出て来るタイプのタマリュウ、コクリュウ、オーソドックスなノシランなどは春に新しい葉が出てくる頃に一度に古葉を切らずに、様子を見ながら葉焼けや劣化が出てきた葉をカットします。
また、 ジャノヒゲ系は性質が強く太陽にも強いですが、ノシランとヤブランも太陽にある程度耐えるものの日向では次第に葉が焼けて汚くなってしまう事が多いです。半日陰や明るい日陰で管理した方が綺麗な状態で長く楽しめ、実も落ちにくいと思います。日向でも元気に育ちますが、葉の美観を保つためには少なくとも初夏から夏の日中の直射日光は避けます。
実を生らせ、綺麗に保ち長く楽しむために必要なこと
コクリュウのところにも簡単に書きましたが、実を楽しむためには一定の条件が必要です。
まず、実を綺麗に生らすためには、まず花を咲かせる事が必須です。
明るい日陰でも花は咲きますが、少し太陽が当たる半日陰くらいの場所の方が花数が多くなります。
ただし、梅雨入りから夏の間に直射日光が当たる場所だと花が咲いてもその後強い日差しで乾燥が進むと花茎が干からびてしまう事があるので、できれば夏の強光を避けられる場所に植え付けます。
そして肥料を適量与えた方が花付きも良くなります。秋にお礼肥、初春に花の準備のために、の年に2回は少なくとも与えます。鉢栽培の場合は元肥以外にも、真夏と真冬を除きひと月に一度、液肥を適量薄めたものを与えます。
(ただし斑入り葉の品種は肥料の量によって斑が入りにくくなってしまうものもあるので、多肥に気を付けて様子を見ながら与えます)
また、元気に育っているのに実が生ってもなぜかすぐ消えてしまう、花が咲いても実が生らない場合の原因の多くは、物理的に何かが当たって花や実が落ちる(足など)事以外に、強乾燥が原因である事が多いです。
ヤブラン、ノシラン、リュウノヒゲは、比較的乾燥などの環境に強く根付けば放任でも枯れる事はないものの、過酷な環境では実が育ちません。
地植えの場合は根が張れば比較的乾燥にも耐える品種が多く、性質の強いノシラン、ジャノヒゲ、ヤブランですが、乾燥が続くと花や実は枯れ落ちます。
あまり水やりができない場合や、日光が強く当たる等で土が頻繁に干上がる場所では、実が大きくなる前に落ちたり干上がって消えてしまうケースが見られます。土の表面が頻繁に乾きあがってしまうような場所では花は咲いても実が生る前に花茎ごと干からびて枯れてしまい綺麗に実付かせる事は難しく、実が無事育っても早くに枯れて落ちてしまいのは難しいです。
土が完全に乾く前に水をあげる、または常に土がやや湿り気味(加湿ではない)くらいの方が実が綺麗に育ちます。少なくとも土の表面が乾ききってしまったらなるべく間をあけずに水をあげるようにします。
そして当然の事ながら、人の足や車などが当たる場所に植えると、物理的に花や実が落ちてしまうので実は生りません。
また、実が生りやすい品種、実が生ってかつ比較的落ちにくい品種もあるので、実を楽しみたい場合は事前に調べてから入手すると良いと思います。
個人的には、コクリュウとオーソドックスなノシランがやはり実付きが良いように思います。
ノシラン・ジャノヒゲとヤブランの違い(2019/11/29)
「ヤブラン ノシラン 違い」というワードで検索してこのページに来られる方がいるので、学術的な事はさておき、自分なりに違いはなんなのか少し考えてみました。
ヤブランはキジカクシ科ヤブラン属、ジャノヒゲとノシランはキジカクシ科ジャノヒゲ属です。
NHKの趣味のネットでの解説に、実の色が違う(ジャノヒゲは青紫の実がなり、ヤブランは黒い実がなる)という事に軽く触れていましたが、確かにジャノヒゲとノシランの多くはコバルトブルーの綺麗な青い実(正確には緑から青に変化)をつけ、ヤブランは黒い実(正確には緑から黒に変化) をつける品種が多いと思います。
ただしオオバジャノヒゲ黒竜の実はコバルトブルーではなく黒色になります。
地下茎で離れたところから芽を出したり、親株の回りに親株が大きく広がるように密集して殖えていったりなど、殖え方の違いや、葉や根の特徴等もヤブランだからこうでノシランだからこうだという違いはなく品種によって様々です。
ただ、あくまで私が見たことのあるノシランやジャノヒゲと、ヤブランについて、一つだけ共通しているのは、花(と実)の形に違いがある事は大きいのではないかと個人的に思います。
ヤブランがサマームスカリと呼ばれる通り花はムスカリの花にとても良く似ていて丸い蕾から綺麗に開いた小花が花茎に対して真横か少し上向きに咲くのに対し、ノシランやジャノヒゲの花は細長い蕾から完全に開ききらないラッパ型のような下垂花が花茎に対して下向きに咲きます。


↑こうしてみると花や蕾の成り方や形が違う事が分かるでしょうか。
ノシラン含めジャノヒゲ系の花はしずく型ややや先端が尖ったような形の蕾が花茎に対して少し下に垂れ下がるように沢山ついて百合のようなややラッパ型の小さい花が咲き長い花茎は斜めに風に流れるように流れます。
一方、ヤブランの花は球体に近い蕾がややひらべったく断面で見ると梅の花に近いようにやや平べったく咲き、スっと伸びた茎に垂れる事なく横向き~やや上向きで咲く小花の集合体は遠目で見るとムスカリ(ムスカリの花は垂れるが)やエレムルスのミニバージョンのよう。比較的整った花のタワーになり花茎もさほど倒れる事なく直立気味です。
実については、ヤブランの実の多くは真ん丸の球体に近い形をする品種が多く、ノシランやジャノヒゲの実は品種によって少し楕円に潰れたような形や先端が少し尖った実、風船を膨らませたような滴型に近い変形球体の実、ヤブランのように球体に近い実が生ります。
『ヤブランとノシラン(ジャノヒゲ系)の違いは花(と実)である』とは言い切れませんが、この二つの違いは花の形や咲き方に大きな特徴がある事だと個人的に思っています。
違っていたらごめんなさい。
ノシランとジャノヒゲ(リュウノヒゲ)の違い
更にノシランとジャノヒゲの違いとなるとどちらも同属(キジカクシ科ジャノヒゲ属)で花の形もどちらも下向きですし区別がつきにくいです。あえて言うとノシランの方が大型、という定義だと思っていればいいのでしょうか。
ノシラン「ビッタータス」とオオバジャノヒゲ「黒竜」の間で線引きされているとか?
ビッタータス以上の大きさ→ノシラン
ビッタータス未満の大きさ→ジャノヒゲ(リュウノヒゲ)
…となるのでしょうか?
ノシランと呼ばれる品種の方がジャノヒゲより葉が大きい(長さと幅がある)、または微妙に大きい、という印象があるのですが、専門的な分類の定義が分かりません。
詳しい方がいましたら教えて頂けると嬉しいです。
コメント