車脇の人が通れない場所のクレマチス(リトル・ネル、メアリー・ローズ、フラウ・スザンネ、フランシスカ・マリー他)

庭もなくベランダも狭い我が家ですが、30種類前後のクレマチスを育てています。可愛らしい花は我が家には合わないのですがクレマチスなどのツル植物は例外。

這わせるタイプの植物、かつ厚みもさほど出ないのに花まで楽しめるとあってはガーデニングを楽しむスペースのない我が家のような家では特に使うべきツル植物クレマチス。

可愛すぎるお花や華やかすぎるお花ははあまり我が家では扱わない事にしているため大輪系のクレマチスは迎え入れてもやっぱり合わなくなり里子に出す事が多い中、小輪~中輪のクレマチスを多くそろえ、全体的に華美にならないよう白と紫と緑をベースに植えています。

今回紹介するのは、家の壁と駐車中の車に挟まれ人が入れないほど狭い(奥行がない)植え込みのクレマチスコーナーの四季咲きクレマチスについてです。

この壁際に設置したフェンスには、四季咲きのクレマチスを5種と、一季咲きのクレマチスを2種植えています。

↑5月下旬。今はもうここにあるクレマチス短く切り戻してある

我が家の庭の花は、なるべく可愛らしさ、華やかさを抑えた品種を選び、 クレマチス ではナチュラルなタイプまたは和に似合うタイプを中心に、白・緑・紫といった落ち着いたカラーを集めています。(それでも春はどうしても華やかになりがちですが)

なので基本、ピンクの花は庭のイメージに合わないのであまり入れないようにしています。

でも家の壁沿いに数種類のクレマチスと一緒に這わせているリトル・ネルだけは別です。

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ビセチラ系クレマチス 「リトル・ネル 」 ( Little Nell )

リトル・ネルは白い小花×ほんのりグレーがかったブルーベースの 薄いピンクの縁どりの花弁× 淡い黄色の花芯の組み合わせの小ぶりなクレマチスです。

可愛いらしいけれども主張控え目でナチュラルなところが気に入っています。

ピンクの部分がパウダリーな淡いピンク、かつブルーベースのクールなピンクなところと、
薄ピンクの縁取りの裏側はくすんで紫がかったダスティーピンクで艶のないシルクに近い質感の花弁が何とも言えない感じなんです。

また、小さな一重の花で咲いたらすぐに散ってしまうと思いきや、1週間かそれ以上散らずに見れる姿のままの事も多く、花もちが以外と良いです。

パウダーがかったようなブルベの淡いピンクの縁取りに黄花芯の小輪種

花弁は4~6枚。色々な表情で咲きます。走ってこっちにくる子供やはしゃいでいる子みたいな花も。
同じくパウダリーな質感の、くすんだ濃紫の小花を咲かせるメアリー・ローズとの相性も良し。

本当は大輪種もここに這わせているので小さなリトル・ネルは脇役のつもりだったけど、この2種の小輪種が一緒に開花を迎えるので明るいカラーのリトル・ネルが主役のような役割を果たしています。

夕方は風が強くてなかなか風に揺れる小輪の花を写メで撮りにくい

咲き始めの緑がかった花の感じや、 蕾や横顔も可愛い。

左上:開いた直後の緑がかったカラーもいい感じ。左下:小型の蕾もかわいい。
右:風に揺れる横顔がたまらない。

どんなクレマチスとも合いますが、濃い紫のダークカラーのクレマチスと合わせて大人っぽい雰囲気にしたり、白・緑系のクレマチスと合わせてナチュラルな雰囲気にするのが個人的にはおすすめ。

リトル・ネルのようなやや小ぶりのクレマチスは本来もう一回り大きな花と混植するとお互いを引き立て調和が取れます。

本当は リトルネルやメアリーローズより少しだけ大きな濃紫花の「 ロウグチ 」もこの子達と一緒に植えたかったのですが、スペースがこれ以上確保できなくて現在は別の場所で待機して貰っています。
ロウグチは大好きなクレマチスの1つなのに、今植えてある場所では他の植物の影になってしまい花付きが非常に悪くなってしまっているため、ここのリトルネルの場所に移植ができたらなと思っています。
あとは一緒に植えてあるパテンス八重系の大型の八重紫クレマチスがもっと沢山リトル・ネルと一緒に咲いてくれたら満足です。

ビセチラ系クレマチス 「メアリー・ローズ (マリー・ローズ)」 ( Mary Rose )

メアリー・ローズは パウダリーな紫色の小輪の花を沢山咲かせるシックで大人っぽいクレマチスです 。

どのクレマチスとも合いおしゃれな雰囲気の名脇役のクレマチスです。
ピンク、赤、白、緑、同じ紫色系など、何にでも似合います。

是非ご自身の好みの組み合わせを考えてパートナーとなるクレマチスをチョイスし、好みのコラボでトレリスやフェンスなどに這わせて貰いたい品種。

ちなみに今年一緒に咲いている「リトル・ネル 」 もこのメアリー・ローズも、共にパウダリーなカラーで艶のないくすんだ色調なところが気に入っています。
こうしたパウダリーな色調は華美にならず落ち着いたおしゃれな雰囲気でお花の色を楽しめる品種です。

花持ちよく、ツルを長めに切って切り花にも使えますが、花弁の枚数が多く散るので花瓶周りのおそうじが必要になります。

↑花持ちのよいメアリー・ローズ
足元隠しに置いてあるギボウシの上に散った花弁。花弁数が多く結構散るけどそれもまたおしゃれ

小ぶりなクレマチスの植栽

小輪・多花性クレマチスは正面から見ても ↓ 悪くないけれども、同じ時期に咲くジャックマニー系やフロリダ系などのやや大き目の花が咲くクレマチスと一緒に咲かせるとバランスが良いですが、これらはいずれの品種も枝が混み合うので、這わせるフェンスなどの広さにもよりますが、幅1mあたり最高3種類程度までの混植が無難です。

我が家では早咲き一重パテンス系フラウスザンネやパテンス八重の紫花フランシスカ・マリーと合わせていますが早くに咲いてしまうので花の時期はやや遅咲きのパテンス八重系が少し重なる程度です。
(ちなみに3月に咲くアーマンディー系のアップルブロッサムも同じ場所に植栽しこちらは1階の上の方からベランダにかけて伸ばして育てています)

この向かって左側も同じクレマチスを這わせている

横から見ると ↓ また違った表情があり、花が舞っているように見えて可愛いです。
夕方しか写真にと取れないので、小さなタイプのクレマチスは風に揺れて写真に撮るのがすごく難しいです。ゆらゆら揺れてブレてしまいますから。

正面からだけでなく、横から、下から、裏側から見ても楽しめるクレマチス。
ちなみに奥に咲いているのはパテンス八重のキリテ・カナワ

残念なのは、我が家では込み入りすぎているためか、どうしても咲き進んでゆくとうどん粉病も比例して進行してしまうところ。
蕾が8分咲きくらいになったらバッサリと花後の剪定を行います。

「リトル・ネル」も「 メアリー・ローズ 」も共にヴィセチラ系のクレマチスなので花後に地際から数節上で剪定を行うのが正解で、その方が うどん粉病やサビ系の病気の除去・予防にもなるので良いのですが、 私は腰あたりの高さで花後の剪定をしています。

実はこのゾーンはリトル・ネルとメアリー・ローズの他にもフランシスカ・マリーとフラウ・スザンネとカイウ、そして上方向に伸ばして1.5階目くらいの高さから展開しているサマースノーとアーマンディー系アップルブロッサムが植えてあります。リトル・ネルとのコンビが楽しめるのは開花時期の被るメアリーローズだけど、リトルネルが咲きだした頃は紫の八重クレマ、フランシスカ・マリー(次の画像の下部)も咲いています。

↑画像下部に咲いている紫のパテンス系八重クレマチスがフランシスカ・マリー

パテンス八重系 「フランシスカ・マリー 」 (Franziska Marie)

上の画像の下部でひそやかに咲いているのがこちら、あまり花弁が多すぎない優しい雰囲気の花形で咲くフランシスカ・マリーです。

↑5/17のフランシスカ・マリー。自然な感じの八重花
今年はたったの2輪しか咲かなかった

パテンス系はビセチラ系より早く咲く事が多いので、このフランシスカ・マリーもリトルネルやメアリーローズと一緒に咲く期間は短く、咲き始めの頃にコラボが見れる程度です。

私はあまり派手な大輪系のクレマチスはほとんど育てていませんが、パテンス系の八重の紫品種だけはつい集めてしまい、濃いめの紫ではこの フランシスカ・マリーの他に「キリ・テ・カナワ」「新紫玉」「光源氏」「紫宸殿」、薄いカラーでは「ベル・オブ・ウォーキング」を育てています。これらもまた追ってご紹介予定です。

パテンス系 早咲き大輪種 「 フラウ・スザンネ 」 (Frau Susanne)

4/22の フラウ・スザンネ

他にこの場所に這わせているクレマチスのひとつ、あまり派手な花を置かない我が家で一番華美なクレマチスかもしれないフラウ・スザンネ。

クレマチスの中では大きな花ではありますが、花弁が細く、色はほんのり縁がピンクがかりった白とのグラデーションカラーで意外と爽やか。

我が家は早咲き大輪種のクレマチスを今ではほとんど育てていないので、フラウス・ザンネが開花する頃このコーナーはこの頃には牡丹も咲き終わり、斑入アマドコロや葉が展開し始めたギボウシなどグリーンが中心で落ち着いている為植栽としての印象はそこまで華美にならず割とスッキリしています。

今年は4/20頃に1番花が開き揃い、5月の連休が終わる頃に散りましたが、花後の剪定と花後のリン酸を含む液肥の10日に一度の追肥で2番花が6月に咲きます。

黄色の花芯にピンクグラデーションの縁取りの花弁でヒラヒラ波打った花びらが少し独特。リトルネル、メアリーローズ、フランシスカマリーと一緒に入れると合うかなと思い植えましたが、そもそも開花時期が合わず混植している春咲きの4種の中ではフラウスザンネだけ一足先に咲くので、リトルネルやメアリーローズらとのコラボは見る事がきません。

しかしながら二番花が咲きやすいので、稀にリトルネルやメアリーローズとのコラボも拝むことができまが、二番花の多くは残念ながら リトルネルやメアリーローズ の1番花の剪定後に咲く事がほとんど。なかなかビセチラ系とのコラボは拝む事ができなさそうです。

うちにあるパテンス系の一重(早咲き大輪系)は現在このフラウスザンネと美佐代のみで、今後は三田のカザグルマを迎える予定ですが、数は少ないです。

パテンス系の一重は結構大きな花が多いのですが、このフラウスザンネも手のひらから少しはみ出すサイズの大きな花です。花びらが細いせいか派手なようで実物を見ると意外とスッキリしています。

画像は1番花ですが、現在はこれより小さな二番花が花後の剪定からの返り咲きで花開いています。二番花は6月末頃に咲く事が多いです。

壁と車に挟まれた狭い場所にあるクレマチスフェンス

今回の記事は、下の写真の通り、車で押しつぶされそうな壁際に置いてあるトレリスのクレマチスコーナーの記事です。

植え込みは奥行30cmしかないけれどそこは問題ではありません。

問題なのはこの子達が挟まれている車と壁。玄関に続く アプローチ、 スロープ、小道沿いであれば壁際や塀沿いであってもまだ問題ありませんが、車に挟まれていると風通しも景観面でもあまりよくありません。

作業面ではもっと大変で車をいちいちずらさないとならず、また作業道具や作業中に出た土なども車の出し入れに応じていちいち移動が必要なのに他に道具類を移動する場所も狭い玄関など限られてしまい、こうした道具類の移動だけでも移植やおおがかりな作業ほど時間がかかります。
庭がない場所の大変さを最も痛感する場所のひとつですが、ここだけで大型・普通サイズの7種類のクレマチスが他の植物と共に植栽してあります。

足元の植栽にももう少しこだわりたいけれど、こうも幅がなく、車が近いとしょっちゅう垂れた下草を車に踏まれ、かつ手入れが難しい場所なので下草にはあまりこだわれない場所でもあります。

庭はないけれどもガーデニングを楽しみたい家に欠かせないクレマチス。

本当はもっと風通しよくゆったり這わせてあげたいのですが、我が家では無理をさせてしまっていますが、しっかり管理してあげられれば狭い場所でも栽培は可能です。


我が家はクレマチス以外にも狭い庭に大型の藤が4鉢と、ブドウ、テイカカヅラ、パッションフルーツ(トケイソウ)を這わせていますが、これらは厚みが出る為、ツルを這わせても他に比べるとあまり厚みが出ないクレマチスよりずっと場所を取ります。(パッションフルーツはそこまで厚みは出ずクレマチスのような楽しみ方ができるツル植物ですが)

一方クレマチスのように藤やブドウほど奥行が出ないツル植物は庭のない狭い敷地や狭いベランダやテラスで大活躍します。

我が家は狭いけれどダイナミックにグリーンや花を楽しみたい、という方にクレマチスは大変おすすめです。

ツルでは他にも香りに酔いしれたいスイカヅラも我が家のツル植物に加えたいのですがこれ以上這わせる場所がないので保留中です。 スイカヅラは以前這わせた事がありますが場所が取れず断念してしまった経験があります。

今あるツル植物も這わせる面積に限りがある為、場所がないのに植えて狭い思いをさせ他の植物の影で花付き悪く肩身の狭い思いをさせているクレマチスが沢山います。

 

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