こんにちは。今日は先月の彼岸のお供え花の話になります。
お彼岸は本来なら期間中1回しかお参りに行きませんが、今年の春のお彼岸は親戚の付き添いでお彼岸シーズン後半からお彼岸後の2回お墓参りに行きました。
庭がない我が家の場合でも年末から鉢植えで冬~春の花を育てているため、できれば春のお彼岸のお供えのお花には育てた花を使いたいものですよね。そこで今日は今回お墓のお供えに使った花の選出について載せておきたいと思います。
おそらくお墓にはご先祖様(の霊魂)は普段いなくて、あえていうと私たちがお墓参りに行くときに一緒に付いてくるくらいだと思っています。そしてお墓の花瓶は小さくて水も大して入らずすぐに水切れしてしまいます。雨が降る事を加味しても何とか1週間もつかな、という感じだと思います。
なのでお供え花には特に配色に気を使っておしゃれに活けるよりも、お彼岸の時期に気軽にカットして惜しげなくお供えできる花を中心に選びます。そしてお彼岸は他の親戚もお墓参りに来るのでそこそこ花もちがよく傷み方・枯れ方もマイルドなものが好ましい。そうしたものをいくつかお墓参りに持っていきました。
それでも結局は元々他の親戚がお供えした菊などのお花で傷んでいるものを取り除いても活けるスペースが少ししか空いていなかったため大してお供えできず半分は持って帰ってきました。画像のお墓は備え付けの花瓶がお墓の中でもかなり小さなタイプのものになります。
白い房咲きミニ水仙
東京近郊で3月に咲くこちらの白い房咲き水仙も丁度お彼岸が過ぎた頃でも何とか咲いていた花をカットして後半の2度目のお墓参りに持って飾ってきました。上の画像でお墓の花瓶の花の後方にこの水仙が少しだけ顔を覗かせているのが分かるでしょうか。
3月頭から綺麗な花を咲かせるこの水仙も3月後半にはくたびれてくるので、お彼岸のお墓参りにまだ咲いている花茎をカットしてお供えするのにはもってこいのお花です。
青いムスカリ
続いてこちらは家の脇の人が一人何とか通れるほどの幅しかないスペースに置いた去年のムスカリなどを植え付けたプランター。実はこのプランターの場所に行くのにいくつか大きな鉢を移動しなければならずなかなか入る事のない場所です。ここに入るのに邪魔な重い鉢を移動して入ってみたところ、去年植えたムスカリがこの品種不明のビッグスマイルもどきだけ元気に咲いているのを見つけた時はその綺麗なブルーに驚きました。夕暮れ時の薄暗がりでどうしても綺麗に写メが撮れませんでしたが去年日向で咲いた時より日陰で淡い色に咲きました。
下の画像は左が日陰で育ったアルメニカム、右が日陰で育った品種不明種(ビッグスマイル?)。ムスカリは日陰であればあるほど色が薄くなる品種が多いですね。
全く同じ環境に置いて育てたものではありませんが、花茎の長さは全然違います。青い方は私の肘から手のひらの中央くらいまでの長さがありました。ムスカリの花茎の多くは短いのでどちらかというと小さな花瓶向けですが、これくらい長いといくらでも長さを調整できるので長い花瓶にも飾る事ができ、お墓に備え付けられている花瓶にも難なく飾れる長さです。
本来背丈は低いのに日陰で花茎が伸び背が高くなったこの青いムスカリをカットしてお墓に持っていき、あまりに茎が長く伸びていたため茎を少し短くカットして飾りました。
20本近く咲いたので残りの半分は自宅用に残しておきました。たまに思い出した時に鉢越しにシャワーを向けるくらいでほとんど水やりしない場所で生き延びて綺麗な花を咲かせてくれて感謝です。
本当は夕方にお墓参りしてはいけませんが、西日の影になったお墓で冴え冴えと咲いていて、置いて帰るのがもったいないくらいでした。
後日この青いムスカリの残りを室内に飾ったところ色が更に淡くなってゆきました。
アップしていませんが今年は3種楽しんだ水色ムスカリとはまた一味違った淡い水色です。ムスカリには珍しい目が覚めるような青から、カットして室内(日陰)に置くと淡い水色に変化するところがとても新鮮で斬新な印象のムスカリです。
同じ日陰放置プランターには青ムスカリの他にピンクと水色のムスカリも植えっぱなしにしておいたのですが、水色ムスカリ「 バレリエフィネス 」も少し花が咲き、こちらもカットして暗い玄関に飾って置いたらどんどん色が抜けて白っぽくなりました。やはりムスカリは日陰であればあるほど色が淡くなるものが多いです。ちなみにピンクムスカリ「 ピンクサンライズ 」は他の植物に埋もれて特に日陰になったせいもあってか花は数個咲いていずれも未熟でした。「 バレリエフィネス 」は茎が短くお墓のお供えには少し不向きだったため持っていきませんでした。
↓ちなみに同じ日陰放置プランターに植えておいた去年のベレバリア ピクナンサ(ムスカリ パラドクサム)も花が咲いていましたがほんのわずか。こちらは日陰で植えっぱなしで毎年元気に花が咲く事はなくもう少し明るい場所で管理した方が良さそうです。何年か連続で秋に球根を買い毎年春に楽しんでいましたが今季は場所がなく球根を諦め植えなかったので数本だけでも花が見れたのは良かったです。ベレバリア ピクナンサは花茎が長いので青いムスカリのようにお墓にお供えする事も可能です。
白いストック、ノシランの葉
お墓参りに持っていくも結局花瓶にスペースがなくて使わなかったのですが、ストックはお彼岸の時期にお供えするのに最適のお花です。
花苗を購入した時期にもよりますが、年末ごろ購入したストックは3月のお彼岸の頃には疲れ始めています。加えてこれから春の花のラッシュでストックの居場所がなくなってくるのでまさにお彼岸のお供えにぴったり。冬の花苗として売られているストックは、お供え用の切り花にあるストックより背丈は低いもののお墓の花瓶にも十分飾れるサイズです。
お彼岸の頃には花の中央がグリーンになってきてまた可愛らしい切り花になります。
この白いストックはしばらくブリキの籠で楽しんでいました。
玄関先で満開のストックの籠盛りを楽しんでしましたがそのうち他の花に押されるようにして居場所を失ったため、次は玄関内に置いて暗い室内で育て玄関に入るたびに強い芳香を楽しませてもらっていました。
ストックは温かすぎる春の気候にも弱いですが、涼しい室内では長持ちします。ただ室内の暗い場所でしばらく過ごすと日光不足で枝がしなり始めるなどしてきますし、どこに置いても3月後半には全体的にハリがなくなってくるのでお墓参りのお供えに使おうとずっと考えていました。
ノシランやヤブランの葉も丁度3月に古葉を剪定する際に出る葉をお供え花に加える事ができます。上の画像のストックの花瓶にも普通のノシランの緑葉を数本使いました。
ちなみにRhodesは自宅でノシラン&ヤブランを育てていますが綺麗な斑入りノシラン「 ビッタータス( スノードラゴン ) 」の葉は駐車スペース脇で車が駐車する際のタイヤにしょっちゅう引きちぎられて葉先がボロボロになり切り花(切り葉)として使う事ができませんでしたがノシランの綺麗な斑入り葉があれば是非お墓のお供えに限らず日常のカット枝アレンジに取り入れたいですね。
ノシラン、ヤブランの葉は春のお彼岸に限らず一年中切り花に添えて使う事ができます。
ローズマリー
葉物で言うとローズマリーも優秀です。
お墓に備えて水切れし乾燥しドライになっても香り爽やか。常緑なので秋のお彼岸にも使えます。
春のお彼岸の3月には花数が増えつつあるローズマリーもあるので剪定には少し早いですが邪魔な枝があれば少しカットしてお彼岸のお供え花に添えるのにぴったりです。
プリムラ ウィンティー「 ライムグリーンフサコ 」
お墓のお供え花の中にライムグリーンフサコも少し入れてきました。
ライムグリーンフサコは茎が細く風で飛ばされたり折れたりするのと日向では花が焼けてしまうため、切り花として利用するならどちらかというと風の強い屋外より室内向きです。
お墓にお供えしてそのまま放置するにはあまり向いていませんが、少し添えるだけでフワっとした表情が加わるので短くカットした枝を少しだけ入れてきました。枝を長くして飾ってもいいのですが野ざらしだとすぐに風で枝が折れてしまうのでお供えに使う場合は短かめにして使うのが正解だと思います。
ラナンキュラス ラックスシリーズ
少し背丈のあるものとしてはRhodesの家で1月半ばから咲いているラナンキュラス「ラックス」が切り花として活躍します。
園芸用のラナンキュラスは沢山ありますが茎が太く柔らかで花びらが非常に多いよくある八重品種は自宅で切り花にして楽しむのはいいですがお墓にお供えして放置するにはやや不向き。柔らかい茎は水に浸した部分が痛みやすく花びらもボトっとまとまって落ち雨などの水で墓石や花瓶にへばりつきます。
ですがラックスは茎がしっかりして花びらも一枚一枚舞い散り普通のお供えのお花と同じ程度の傷み方で収まります。
普段あまり黄色い花は使いませんが、この「 ピュタロス 」は元気なレモンカラー。ラックスには渋い色や淡い繊細なカラーもあってそちらの方が惹かれましたが今年は珍しく原色系のこのピュタロスをチョイス。
どちらかというとRhodesの家の冬の地味色の花の中でレモンカラーの花を少し咲かせてくれるだけで程よい華やかさを加えてくれました。
3月に入ると最初に出た古い花茎が煮詰まってきて蕾が咲いても花が小さくなります。
上の方に小さな花しか咲いていない花茎があるのが古い花枝。
下の画像で見ると、上の方の花が小さくなってきているのが分かるでしょうか。これが古い花枝です。下の方で咲いているのは伸びてきた新しい花茎で花も大き目です。
一度この古い花茎を数本カットし、その後もう一度数本カットして2回目のお墓参りでそれぞれ使用しました。
お彼岸は2日に分けて4つのお墓を回るので少しずつカットして持っていきます。
ここのお墓は1週間前に来たばかりで下の画像の左上(後方)に少し見えているのが以前残していった前回活けたラックスです。
↓ 古い花枝を一通り全てカットしお墓参りも全て終えた後のラックス。花茎が更新されて若い大きな花が再び咲き出しました。開花時期中は適度に液肥を与得る事で花が次々に咲きます。
現在は冬の間の落ち着いた花とは打って変わって賑やかな色の花に囲まれ、加えて背丈も少し低くなって他の花に少し押され気味ですがまだまだ元気です。下の画像の右端少し下あたりで咲いているのがラックス ピュタロス 。この色とりどりの花の感じは地味色の花が多いRhodesの家では珍しく、10日ほどこのコーナーはかつてない賑やかな色合いで過ごしました。
パンジー、ビオラ、背丈の低い万重咲きのラナンキュラス
パンジーやビオラは春先からよく切り花にして自宅の屋内外でひっきりなしに飾っているのでできればお彼岸のお供え花としても使いたいのはやまやまですが水切れに弱く、茎も花も全体が柔らかく傷みがちで切り花にして放置するとそのうち周囲にへばりついてよごす事があります。パンジーやビオラの切り花は水をよく吸いますし、春の暑い日差しにも弱く日向の場合はこまめにケアをしないと長持ちしません。この点ではよくホームセンターで売っている背丈が低く茎が柔らかい万重咲きのラナンキュラスも同じです。
自宅で適度に水切りや花摘み、水変えなどをしながら明るく涼しい日陰で切り花として楽しむとかなり長持ちしますが、お墓に放置するにはやや不向きです。ただ備えて数日お墓で咲いてくれさえすれば良い、という場合はお供えに使っても良いと思います。
Rhodesのお墓は他の親戚も訪れるためできれば枯れ姿も固くしまって後片付けしやすいものが好ましいのでパンジー、ビオラ、綾リッチなどの背丈の低い万重咲きのラナンキュラスの切り花はお供えに使いません。
ホームセンターや園芸店で冬に出回るあまり背丈のないラナンキュラス各種も自宅では涼しい日陰に飾ると多少くたびれながら長持ちしますが、野ざらしのお墓ではボトっと落ちた柔らかい花弁や傷んだ柔茎が乾いた花瓶にへばりつき周囲を汚す事があります。なのでラナンキュラスをお供えに使う場合はやはり先述のラックスシリーズなど背丈が少しあって茎が固くしまったものを使うのが好ましいと思います。
クリスマスローズ
クリスマスローズは3月後半~4月にかけて少しずつ花茎をカットして家で飾ったり水盤に浮かべたりして楽しんでいます。
お庭などで沢山育てていて惜しげもなく使える場合はお供えに使ってもいいかもしれませんが、Rhodes宅のように何種か鉢栽培している場合は花瓶の水がすぐに水切れして枯れてしまうお供え花にはちょっともったいなくてなかなか使えません。
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